カラマツ探しの人生哲学
成功哲学のトップランナーの一人ジェームス・スキナーの話の1つに「タンポポ探しの
人生哲学」というものがあります。若くて駆け出しのころの彼が「青年の船」のような
研修船の講師の一人として招かれた時のエピソードです。
プログラムの最終日、寄港した香港での自由時間の話。船の中でお世話になったMさんと
いう素敵な女性スタッフにタンポポをプレゼントしよう、という企画が講師仲間数名の
中で盛り上がったのです。
船の中での出来事などをふり返りながら足を棒にして探し回りますが、どこにもない。
香港にはタンポポなんてないんじゃないか?という疑念が皆の中に湧きおこりますが、
もう少し探してみよう、ギリギリまで探そう、と粘り強く探し続けたと。
いよいよタイムリミットが近づき、「これだけ皆で真心こめてMさんにタンポポを捧げたい
と必死になって探したことを伝えればいいじゃないか。皆諦めずギリギリまで探し続けて
くれてありがとう」「みんなクタクタになるまでよくがんばったな、ありがとう」
そんな会話をしながら船に戻る直前、歩道にタンポポを見つけた、という話です。
遠くまで行かなくても船の近くをくまなく探せばよかった、という話ではありません。
タンポポが見つかったかどうかは二の次であり、目的目標を共にしたメンバーが、そこに
向って足を棒にして探し回ったこと、道中目標を見失わなわず楽しみながら取り組めた
仲間がいたこと、そのプロセスそのものに人生(営業)を重ね合わせることができる、
と彼は説くのでした。
その話を聴いたのは20年も前のことではありますが、強く記憶に残っており、それが前提
で以下のストーリーが展開されたといっても良いのです。
「カラマツの新葉でお茶を作りたいので、どこかカラマツがあるところ教えてもらえます
か」と友人Sさん。
「それなら『オレの山』にあるから、採りに来てください」と言ったものの、いざ友人が
来てオレの山を探してみたら、無い!(汗) ギャッ!
「あったと思ったんだけど勘違いだったか…。ごめんなさい。一緒に栗駒山方面に探しに
行きましょう」ということで奥山方面に車を走らせました。
1時間弱探し回ってようやく見つけたカラマツは、枝がかなり高いところにあり、葉っぱが
採れない…。う〜む。。。
これはよほど運に恵まれないと、見つけたとしても葉っぱの収穫には至らないんじゃない
かということになり、やむなく引き返しました。
もちろん望みは捨てず、あたりをキョロキョロしながら。するとどうでしょう。
「おおー、あれ、カラマツっぽい! しかもかなり下の方まで枝が付いてるぞー!」
興奮して駆け寄ってみるとやはりカラマツ。枝にも手が届き、幸運にも大量収穫できまし
た!
めでたしめでたし、と「オレの山」に戻ってきたら…、
「あれ?? カラマツだ!」。 何と、森の入口にありました(笑)。
別なところにあったと勘違いしていて、入口付近はノーチェックでした。
ありがちな話ですね(笑)。チャンチャン。
チャンチャンで終わっても良いのですが、冒頭の話に照らすことで、目的目標をあきらめず
取り組むことで、天がご褒美をくれる、仮にそれが得られなくても「満足」という報酬が
与えられる、という教訓かと思いました。
これがカラマツ
新葉をきれいに洗ってミキサーにかけてエキスを取り出すという地道な作業
このひと瓶には面白いエピソードがつまっていたのでした
長谷川嘉宏のハモコミノート
株式会社壱岐産業(仙台市)の代表です。