この数字がわかるだけで日本の未来が読める
「この数字がわかるだけで日本の未来が読める」(高橋洋一著)について紹介する。
第1章 統計データは21世紀の石油だ
ドイル教授の理論を統計的に示せば、民主国同士、民主国と非民主国、非民主国同士の順に戦争確率が増加する。日本の大新聞は、役所の言い分を流すだけのメディアになりつつある。
日本の財政は不健全であるという嘘。負債だけを見て、資産を見ない。財政危機説は荒唐無稽で議論する価値もない。日本の資産 672兆円、負債1221兆円、差し引き548兆円。徴税権 1000兆円、日銀 400兆円、総額600兆円プラス。
コロンビア大学のジョセフ・スティグレッツ教授は、国の借金1000兆円というレトリックに騙されてはならないと言明。借金に見合う巨額な資産を持っている日本は、その金利収入で借金の利払いが用意できる。
第2章ファクトを無視した 残念な日本の政策
改正入管法は、アベノミクスの成果である雇用の喪失や賃金上昇の流れを台無しにする。水道事業は、いずれお荷物になりかねない。
第3章 労働教育 幸せな生き方と数字の関係
働き方改革関連法で過労死が増えることはない。副業・兼業が日本型企業を変化させる。研究開発とGDPの因果関係は双方向にある。その好循環を得るのが、教育国債。大阪万博プロジェクトは超有料物件だ。災害対策は増税ではなく国債で賄うべきだ。金融政策は、雇用創出という経済効果だけでなく、付随して社会を安定させる効用がある。
第4章 人口減少 =日本の危機論の大間違い
GDP 25%減のIMFレポートの問題点、年率0.7%程度である。ICT でマイナスの影響はカバーできる。遅きに失したプログラム教育の必修化。年金制度とは、福祉ではなく保険である。破綻することはない。人口減少よりも深刻なのは、老後格差である。
第5章 国際情勢の裏側も数字で読み解ける
米中貿易戦争は 貿易不均衡の争いにはあらず。ダメージを受ける米中、日本は漁夫の利もある。米中貿易戦争とは安全保障問題である。
第6章 自国の立ち位置をクールに見極めよ
TPPは中国抜きの経済連携として重要である。